相続

相続手続きで必要になる書類と、集める順番

この記事で分かること

戸籍謄本の収集がいちばん時間がかかる

相続手続きでは、不動産の名義変更や預貯金の解約など、多くの場面で被相続人の戸籍謄本一式が 必要になります。誰が相続人にあたるかを確認するため、被相続人が生まれてから亡くなるまでの、 すべての戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本を含みます)をそろえる必要があります。

本籍地は、結婚や転居などをきっかけに変わっていることが少なくありません。従来は、本籍地が 変わるたびに、その当時の本籍地を管轄していた市区町村役場へそれぞれ戸籍を請求する必要が ありました。後述する「広域交付」により状況は変わりつつありますが、対象外となるケースも 多いため、相続手続き全体の中で、戸籍の収集は今も時間のかかる工程になりやすい部分です。

本籍地以外でもまとめて取れる「広域交付」

2024年3月1日に施行された改正戸籍法(第120条の2)により、本籍地以外の市区町村役場でも 戸籍証明書・除籍証明書を請求できる「広域交付」という制度が始まりました。必要な戸籍の 本籍地が全国各地に分かれていても、1か所の市区町村役場でまとめて請求できます。広域交付で 請求できるのは、本人・配偶者・直系尊属(父母・祖父母など)・直系卑属(子・孫など)の 戸籍です。

一方、次のものは広域交付の対象外です。

利用する際は、顔写真付きの本人確認書類が必要です。支所や出張所では取扱いの範囲が限られる 場合があるため、事前に確認しておくと安心です。

集める順番の目安

書類を集める際は、次のような順番で進めると、手戻りが少なくなります。

  1. 被相続人が亡くなったときの戸籍謄本(除籍謄本)を取得する
  2. そこに記載された「従前の本籍」をたどりながら、生まれたときまでさかのぼって戸籍を集める
  3. 集めた戸籍から相続人にあたる人を確定し、各相続人の戸籍謄本・住民票などを集める
  4. 相続する財産に応じて、不動産の登記事項証明書や金融機関の残高証明書など、必要な書類を集める

①・②で必要になる戸籍が、被相続人本人・配偶者・直系尊属・直系卑属の範囲におさまる場合は、 広域交付を使って1か所でまとめて請求できる可能性があります。一方、兄弟姉妹が相続人になる ケースなど、傍系の親族の戸籍が必要になる場合は広域交付の対象外のため、従来どおり本籍地 ごとに戸籍を請求する必要があります。③・④は、①・②で相続人の範囲が確定してから進めた 方が、書類の集め直しになりにくいといえます。

法定相続情報一覧図を作ると、出し直しの手間を減らせます

戸籍謄本一式は、不動産の相続登記、預貯金の解約、相続税の申告など、複数の提出先でそれぞれ 必要になります。そのたびに戸籍謄本の原本一式をやり取りするのは、手間がかかります。

法務局は、収集した戸籍謄本等をもとに相続関係を一覧にした図を作成し、認証を受けられる 「法定相続情報一覧図」の制度を用意しています。法務局の認証を受けた一覧図の写しは、戸籍 謄本の束の代わりとして、複数の提出先で使い回すことができます。交付の申出に手数料はかかり ません。

一覧図の写しをどこまで使えるか、有効期限をどう扱うかは、提出先によって運用が異なる場合 があります。利用を検討する場合は、提出先にあらかじめご確認ください。

提出先によって必要な書類は異なります

ここまで紹介した書類は、多くの相続手続きで共通して必要になりやすいものです。ただし、実際 に必要な書類は、手続きを行う市区町村役場や法務局、金融機関などによって異なる場合があり ます。ここで挙げた内容はあくまで一般的な目安であり、必要書類のすべてを網羅したものでは ありません。手続きを始める前に、それぞれの提出先へ必要書類をご確認ください。

まとめ

この記事の内容の確認先:戸籍謄本の請求先は、本籍地を管轄する市区町村役場です。法定相続 情報一覧図の申出先は法務局です。具体的な必要書類や手続きの詳細は、各市区町村役場または 法務局にご確認ください。制度の概要は法務省ウェブサイトでも確認できます。

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