相続登記の義務化はいつまで?2027年3月31日という期限の意味
公開日:2026年8月15日
この記事で分かること
- 相続登記が義務化された制度の概要
- 「死亡日」ではなく「取得を知った日」が期限の起算点になること
- 期限までに手続きが終わらない場合の考え方
相続登記の義務化とは
相続登記とは、亡くなった方(被相続人)が所有していた不動産の名義を、相続人に変更する手続きです。 これまでは登記の申請に期限がなく、任意の手続きでした。しかし2024年4月1日から、相続登記の申請が 義務化されました。相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に、登記の申請をする 必要があります。
この改正の背景には、名義変更がされないまま放置された不動産、いわゆる所有者不明土地が全国で増え、 公共事業や災害復旧の妨げになっていることがあります。実家の名義が祖父母の代のままになっている ケースも少なくありません。今回の制度改正で、あらためて対応が必要になった方も多くいます。
期限はいつから数えるのか(起算点の考え方)
相続登記の期限は、亡くなった日そのものではなく、不動産を相続によって取得したことを「知った日」を 基準に数えます。法務省は、2024年4月1日以降に不動産の取得を知った場合は、その日から3年以内に 登記の申請をする必要があるとしています。
一方、2024年4月1日より前からすでに取得を知っていた場合は、経過措置により、2027年3月31日までに 申請を行うことが期限となります。つまり「いつ亡くなったか」ではなく「相続で不動産を取得したと 知ったのがいつか」によって、どちらの期限にあたるかが変わります。
また、遺産分割協議によって不動産の取得者が決まった場合は、これとは別に、遺産分割が成立した日から 3年以内に、その結果にもとづく登記をする義務が生じます。話し合いに時間がかかっている間は後述の 相続人申告登記で対応しつつ、分割が決まった後にあらためて3年の期限が生じる、という二段階の 仕組みになっています。
なお、実際の起算点がいつになるかは、お住まいの状況によって扱いが異なる場合があります。個別の ケースについては、法務局にご確認ください。
期限までに手続きが終わらない場合
正当な理由なく期限内に登記の申請をしなかった場合、10万円以下の過料の対象となります。ただし、 期限を過ぎた時点で直ちに過料が科されるわけではありません。法務省の説明では、登記官が相当の 期間を定めて申請をするよう催告し、それでも正当な理由なくその期間内に申請がされなかった場合に 限って、裁判所へ過料の通知が行われるとしています。
正当な理由の例として、法務省は次の5つを挙げています。
- 相続人が極めて多数にのぼり、戸籍関係書類の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要する場合
- 遺言の有効性や遺産の範囲などが争われていて、不動産の帰属が明らかにならない場合
- 登記の義務を負う人自身に重病など、これに準ずる事情がある場合
- 登記の義務を負う人がDV等の被害者で、避難を余儀なくされている場合
- 登記の義務を負う人が経済的に困窮していて、登記費用を負担する余裕がない場合
これら以外の事情であっても、正当な理由に該当するかどうかは個別に判断されます。何が正当な理由に あたるかは、法務局への確認が必要です。
また、期限までに遺産分割の話し合いがまとまらない場合には、「相続人申告登記」という簡易な報告の 仕組みを利用できます。これは、相続人であることを法務局に申し出ることで、ひとまず義務を果たした ものとして扱われる制度です。正式な名義変更とは別の手続きのため、遺産分割が成立した後にあらためて 相続登記が必要になります。
まとめ
- 相続登記は2024年4月1日から義務化されました。期限は「亡くなった日」ではなく「取得を知った日」を基準に数えます
- 2024年4月1日より前から取得を知っていた場合は、経過措置により2027年3月31日が期限となります
- 期限に間に合わない場合も、催告の手続きや正当な理由の考え方があります。早めに法務局へ相談することをおすすめします
この記事の内容の確認先:手続きの詳細や個別のケースについては、不動産の所在地を管轄する法務局にご確認ください。 制度の詳細は、法務省「相続登記の申請義務化について」 でも確認できます。
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